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素朴な疑問Q&A

◆サラリーマンが独立する手段として、MBOがあると聞きましたが、MBOとは何ですか?  また、EBOとかLBO、MBIなど似たような用語がいくつかあるので、整理して教えて下さい。

 

「MBO」とは、「マネージメント・バイ・アウト」の略です。

 具体的な例を挙げて説明しましょう。
 貴方が、ある上場会社の子会社の社長だとしましょう。親会社は名門の老舗企業ですが、本業は旧来的な重厚長大型の産業であり、経営不振でリストラを進めています。それに比べると、新規事業を行なう子会社の業績は好調です。しかし、親会社の経営が苦しい為に、とばっちりを受けています。
 社長とはいっても、親会社の使用人に過ぎない貴方としては、この先、この会社にとどまっていても将来性は無いなと思い、独立を考えたいのですが、ゼロから会社を起こすことには踏み切れません。さて、どうしたらいいのでしょうか。
 こういう場合にMBOが活用できます。貴方や役員で子会社の株式を親会社から買い取り、親会社からの独立を果たすのです。
 親会社は業績のいい子会社の経営権を失うのは痛いのですが、株式の売却代金が入りますので、苦しい経営の足しになります。また、貴方や役員は子会社ではなく、自分達の会社になりますので、責任も増えますが、やる気も出ますし、名実ともに独立を果たすことができます。
 新会社は経営の自主性を持つことができるわけです。このように双方にとって、メリットがあります。
 しかし、株式の買い取り資金をどうやって調達したらいいのでしょうか。親会社が持つ子会社株式の全てを買い取ろうとすれば、業績がいいだけに株価も高く評価されますから、資金調達をどうするかが問題になるわけです。
 例えば、子会社の資本金が1億円で、株価が額面の20倍と算定されますと、買い取り資金は20億円になります。貴方や役員の何人かで個人の資金をつぎ込み、先ず1億円を用意します。そして、新株引受権付社債(ワラント債)を5億円発行して、ベンチャーキャピタル(VC)等に引き受けてもらいます。さらに、銀行や保険会社等の金融機関でシンジケート団を組んで(複数の金融機関が協調して)、14億円の融資を実行します。
 つまり、エクイティー(社債発行等による直接金融)とデット(金融機関からの融資による間接金融)を組み合わせた資金調達です。
 この場合、VCが引き受けるのはワラント債ですから理解できますが、金融機関が無担保融資に応じるのは何故でしょうか。金融機関の担保となるのは、将来の安定したキャッシュフローです。
 以上、わかりやすく例を設定しましたが、別に親会社が公開企業である必要はありません。また、実際には受け皿になる新会社を作って実行しますので、その意味では親子会社の間でなくても、会社の一事業部門を切り離して独立した会社にする、つまり分社化の場合にも応用できます。つまり、貴方が、ある未公開会社の一事業部の責任者でも、可能性はあるということです。
 いずれにしても、MBOはサラリーマン経営者が独立する為の有効な手法です。また、専門家でもただ単に、バイ・アウトとだけ言う人がいますが、バイ・アウトには、MBOもあればEBOもあります。この場合は、経営陣が株式を買い取るからMBOですが、従業員が買い取るのなら、EBO(インポロイー・バイ・アウト)といえます。 バイ・アウトの反対がバイ・インです。MBOに対して、MBI(マネージメント・バイ・イン)は買収企業に経営陣を送り込む手法です。
 米国でMBOが使われる時は自社を他社の買収から防衛する為であり、経営者が自らLBO(レバレッジド・バイ・アウト)方式で自社を買収し、非公開とするケースです。(またバイ・アウトが出てきましたが、LBOとは、買収先の資産を担保にして買収する手法です。)
 MBOは広い意味でのM&A(企業の合併や買収)の一種です。わりと最近まで、M&Aは企業乗っ取りのイメージが強くて日本には馴染みにくかったですが、MBOは日本の企業風土に合っているといわれてきました。いわゆる、暖簾分けの感覚に近いからでしょうか。M&Aが日常化した昨今は、より、MBOが身近になったといえます。
 一部のVCはM&Aのアドバイザーの機能も持っていますが、一般に日本のVCはバイ・アウトはあまり得意ではありません。MBOに関しては、専門のアドバイザーに相談するのがいいでしょう。

 
 
 

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